『僕の中の風が吹く』

僕の中の風が吹く
何度も最初で、何度も強く
腐敗した心のように
寂しさが積もる深い吐息に
僕は怠惰に労働を繰り返す
毎日、これが最後で、日暮れまで
壊れてしまった機械のように
言葉は僕を意味しない
 
言葉未満の何かを口ずさみながら
台風の如く駆け巡る
「僕の中の風が吹く」
街行く人に言葉を放つ
君たちは無言だね
僕は雄弁に無言なのだ
「僕の中の風が吹く」
言え、言え、言え
話す必要は無い
僕の頬は赤く上気している

飛べ今すぐ歪んだ翼を拡げ
僕の中に風が吹いたのだから
でも君は遊びつかれて窓から顔を出して
表情を消している
心を読まれないようにしている
何処にも無い心を探すな
今すぐにだ
虚無に足をすくわれるな

何処にも辿り着かない答えを探して
螺旋の衝動を
僕は惜しげもなくはだけて
空は青いとノートに彫刻刀で彫り刻む
骨の上に赤々とした血を流して
生きている
止められない
英雄と同じ風が僕の中に吹いたのだ
吃と結ばれた唇の
噛み切った血飛沫の
飛翔のカーブを例として
飛び立つ時
そして朽ちていく因果を
知っていた
思い出した
生まれ落ちたときに
約束された死を
僕は
僕の中に風を吹かして
思い出した

君は無言
雄弁に僕は無言
折り重なる影を
踏んで鬼を決める

「僕の中に風が吹く」
僕は台風の如く街をストライドしていく 






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