デジャブな夢

満ちた夕月に嵌め込んだ悲しみ
忘れそうな言葉を何度も反芻して、けして繰り返さないようにと思い続けた
日没の子供達は、みんな一様にある殺人事件をモチーフにした童謡を口ずさんでいる
その女は、歌の中で何度も生き、何度も殺される
血が流れ、肉は裂かれる
ブワっという音がするもんだから、首を傾げると、ボキッとして首が折れた
グニャグニャとぶら下がる首を左右に振りながら進んで行く
まるで、永遠の苦行を課せられた者のように、永久に悩んでいる
それは、悲しみなのか喜びなのかと思い続ける
答えは出ない
永遠に彼女の潔白を晴らすことが出来ないように
月は、静かな光で道を照らす
そういう音が充満している
騒音に近い静寂が、真夏の生温い空気のように、肌を舐める
既に私は私
昨日も一昨日もそう
変わらないのはそれだけ
それ以外は、回り続ける回転木馬のように定まらない
どうせ、繰り返すのだ
この悲しみは、色褪せもせず、叩きつけられる
だから、身体を分岐させ、隅々まで浸透させる
そのおかげで、自然に泣くことが出来る
涙を流さずに泣き続けることが出来る
静かな雨のような悲しみに
今はもう立ち止まることは出来ない


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